内包カーボンナノチューブを用いる太陽電池の応用

 

現在, 一般にシリコン系太陽電池が広く実用されているが, バンドギャップが大きいために赤外領域の光で発電することができない. 一方, カーボンナノチューブ(CNT)はバンドギャップが小さく, CNTを用いた太陽電池では赤外領域の光による発電が期待できる.

単層カーボンナノチューブ(SWNT)は半導体特性を持つ場合にp型の特性を示すことが知られているが, プラズマイオン照射法を用いてフラーレン(C60)を内包させることによりp型特性を強めることが可能であり, またヘテロフラーレン(C59N)を内包させることによりn型特性に変化させることが可能である. 本研究では, このC60内包SWNT(C60@SWNT)またはC59N内包SWNT(C59N@SWNT)n型またはp型にドープされたSiによってヘテロ界面上にpn接合を形成し, より高効率の太陽電池を創製することを目的としている(1).

 

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図1: C60@SWNT薄膜太陽電池の構造